お買い物マラソンやスーパーセールは、毎回のように「どう攻略するか」が語られるイベントだ。今回も日程や倍率、上限ポイントが揭示され、いかにも“賢く立ち回れば得をする”設計になっている。けれど、数字を眺めていると、少し立ち止まりたくもなる。
今回のマラソンは、10店舗買い回りで最大+9%、ただし上限は7,000ポイント。つまり、買えば買うほど得をするようでいて、どこかで必ず天井にぶつかる。高額商品を買えば一瞬で上限に達し、それ以上の「お得」は静かに切り捨てられる。合理的だが、少し冷たい仕組みとも言えるのかもしれない。
一方で、SPUの存在はこの構造をより複雑にする。楽天カードや銀行、証券、モバイル回線など、生活のあらゆる場面を楽天に寄せていくことで還元率は確かに上がる。条件を満たした月の買い物がすべて対象になるというのも、うまくできた話だ。気づけば「買い物をするために生活を最適化する」状態に近づいていく。
楽天モバイルの回線契約も象徴的だ。月額料金以上のポイント還元が見込めるなら、契約した方が合理的、という判断は自然だろう。ただ、それは本当に“必要だから”契約しているのか、それとも“損をしたくないから”なのか。その境界は案外あいまいだ。
お得を追いかける行為そのものは、決して悪いことではない。ただ、その過程で自分がどこまで組み込まれていくのかを、たまに意識してみるのも悪くない。ポイントは増えても、選択の自由まで失っていないか。そんな問いを抱えつつ、今日も多くの人が「完走」を目指してカートを埋めているのかもしれない。